外を歩くのが気持ちいい季節になってきました。1日8000歩程度歩くのは、“毎日ではなくても健康維持に効果的”との研究結果が発表されました。
●死亡リスク減
●お花見ウオーキング
●歩いてポイ活
以上のポイントを中心に詳しく解説します。
■「1日8000歩以上」厚労省が目標に設定 難しい人も…
雨上がりの30日、東京・皇居周辺では満開の桜の下、ランニングやウオーキングをしている人の姿が見られました。1日に何歩ほど歩いているか聞きました。
桜を見に散歩(79)
「今日は今のところ4700歩。昨日は1万歩歩きましたね。健康維持、足から衰えるからそれを警戒して」
ウオーキング中(75)
「7000歩を目指して毎日、歩いています。腰痛とか足の変な具合とかが、知らないうちになくなりました」
ジョギングとウオーキングの二刀流
「(目標)2万歩です。ストレス解消とダイエットです」
話を聞いた人たちは、意識的に歩いているようでした。今は、歩数が自動的に記録されるスマートフォンのアプリもあります。
では、1日に何歩歩けば、健康維持につながるのでしょうか。厚生労働省は、20歳から64歳までの人は1日あたり8000歩以上を目標に設定しています。
ただ、実際に1日8000歩以上を達成するのは、なかなか難しいのが現状のようです。東京都でこの目標を達成できているのは、男性は52.5%、女性は40%にとどまっているということです。65歳を超えると、男女ともに20%台に減るといいます。(※2017~2019年の国民健康・栄養調査(参考値)による)
■“8000歩を週に1~2日で死亡リスク低下”…研究 きっかけは患者の「平日はそんな時間取れなくて…」
こうした中、京都大学とカリフォルニア大学の研究グループが、「1日8000歩を週に1日か2日達成すれば、将来の死亡リスクが低下する」という研究結果を発表しました。
研究を行った京都大学大学院の井上浩輔助教によると、ある日の外来で患者から「1日8000歩は毎日しなければだめですか?平日はそんな時間も取れなくて…」と聞かれたのが、研究のきっかけだったそうです。
1日に歩くと良い歩数の目安が8000歩程度というのは、すでに様々な研究で知られています。さらに、週末などの週2日だけの運動でも“将来の死亡リスクを低減させる効果がある”という研究もあるそうです。井上助教はこの2つの知見を組み合わせて、1日8000歩程度を週2日ほど歩くだけでも効果があるのかを分析しました。
研究チームは、アメリカで行われた健康調査から、20歳以上の約3000人分のデータを分析し、1週間のうちに8000歩以上歩いた日数と10年後の死亡率の関連を調べました。
研究では、週に1度も8000歩以上歩いていない人と比べ、1日から2日歩いている人は死亡するリスクが14.9%低く、3日以上歩いている人は16.5%低くなったということです。さらに、心臓病などの死亡率にしぼっても、1日も歩いていない人に比べ、1日から2日歩く人は8%低減、3日以上で8.4%低減していました。こうしたことから研究チームは、死亡リスクの減少は3日以上でも1~2日でもほぼ同じだったと結論づけました。
井上助教は「週に4~5日歩ける人があえて1~2日に減らす必要はない」としつつも、「毎日歩かないといけないというプレッシャーを感じることなく、1日でも2日でもまずは歩いてほしい」と話しています。
■「8000歩」どう達成? おすすめコース ポイントたまるサービスも
8000歩をどう歩いていくか、おすすめのウオーキングコースなどを紹介します。
東京都の「トーキョーウォーキングマップ」というホームページでは、おすすめのコースを検索することができます。
今は、お花見ウオーキングの最後のチャンスです。例えば、隅田川沿いを両国駅から桜橋までの約3.4キロ歩くコースがあります。川沿いには桜並木が続いていて、今ならお花見を楽しみながらウオーキングができます。このコースは所要時間約50分で、約4900歩の歩数を稼げるということです。ほかにも地域や最寄り駅でも検索できます。
また、歩くモチベーションについては、30日に皇居周辺でウオーキングをしていた人からは「アプリで5000歩目標にしてやっている。ポイントがたまるので」との声も聞かれました。このように、歩くだけでポイントがたまる“ポイ活”ができるアプリもあります。
ドコモの「dヘルスケア」は、アプリをダウンロードして目標歩数を達成すれば、抽選でポイントがもらえてショッピングなどに使えます。
大手薬局のウオーキングアプリ「スギサポwalk」は、アプリを起動して歩くだけでお店のマイルが簡単にたまるそうです。薬局のポイントに交換すれば、薬局内の商品などと交換できるというシステムだといいます。
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歩くというのは、特別な道具やウエアがなくても外でも家の中でも、思い立った時にいつでも気軽にできる運動です。忙しくてなかなか時間が取れないという人も、家事や仕事の合間にちょっと歩いてみる、その積み重ねが大きな違いを生むようです。
(2023年3月30日放送「news every.」より)
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